なにそれ経営者のブログ

仕事と彼女と人生観

ボケとツッコミ

LINEのやりとりでボケたときに、ツッコんでくる人と普通に返してくる人がいる。例えば、伝えたいことをいきなり五七調で言ったときに「詠むなよ!」というか、連歌みたいに被せてくるか、してくれないと広がらない。いちばんよくないのは、ボケたことに気がつかないやつ。気がつきながらもなにごともなかったかのように会話を続けたとしてもお互いの関係性ができていれば「おいスベったみたいにすんな!」とボケたほうがツッコむこともできるが、ここがおもしろいという共通理解ができていないとこれは成り立たない。
ダウンタウンの松本さんが「芸人はあたまいいから、なんともないことでも勝手に連想してしまうんですよ。それで自分のなかで膨らませて笑ってしまう」的なことを言っていてなるほどなぁと思った。おもしろい人はおもしろい視点で切り取れる。ここがおもしろいよね、とみんなにもわかるように表現する代弁者がツッコミの役割で、言葉にすると輪郭をもち、だれでも笑えるようなレベルにまでさげてくれる。ツッコミは着眼点なので、プロの芸人さんは、ボケがなくても笑いに変える力がある。
一方、ボケるほうは、もうだれがツッコんでも笑えるようなパスを出すことができて、ツッコミなしでもおもしろいことを言える。田村淳さんがセンター試験の感想を聞かれて「休憩中にパズドラをやってる人がいた」「夏服を着ている人が気になった」などと言っていた。当人はいたって普通でリラックスしていただけかもしれないが、もし試験なら休憩時間にも勉強するはずだという前提があるひとなら「おまえやる気あるんかい!」と思うし、昨日は全国的に寒かったということを知っていれば「なんで夏服やねん!」と思わず言いたくなる。これくらいわかりやすくかつさらっと自然に言えるとかっこいい。

好きだけど別れる

マリノス斎藤選手の移籍を応援したい。エースの流出はマリノスにとってはたしかに痛手だけど選手が選んだ道なのだから、これ以上、スタッフや会社がどうこう言える立場にはない。
古川社長は「クラブとしては最大限慰留をはかってきた。1日でも早く復帰して戦ってくれることを望んでいたので、残念な気持ちでいっぱいです」とのコメント。クラブ側としては本音であろう。一方、本人は「この移籍は、その恩をあだで返してしまうことになってしまいました。」とコメントを出した。斎藤選手も育ててくれたスタッフへの感謝がマリノスで活躍することが恩返しになる、ということをわかっていて、個人のわがままを許してくれと。マリノスというプロチームのメンバーである以上、マリノスのためにが第一義的になってしまう。でも、日々ともに触れ合えば、マリノスの斎藤だからという理由ではなく、気持ちとしては斎藤だからという理由でサポートしていたスタッフも多くいるように思う。
仕方のないことである。とはいえ、みんながハッピーになれる解はなかったのか。例えば、MBAの留学費を会社に出してもらったら、卒業後、一定期間は転職できないという決まりごとをつくっている会社がある。社員を留める理由としてはわからなくはないが本質的ではない。ぼくなら、社員がその会社を離れるのは、所詮、その程度の会社だったと考える。個人にとってかけがえのない魅力的な組織であれば転職することはないし、その組織を自分の力で動かそうとする。好きだけど別れるという状態は100%ではなく、どこかになにかすれ違いがある。マリノスは生まれ変わる途中だ。マリノスのようなビッククラブがうまくいかなければ、他のチームもうまくいかない。痛みを伴いながら強い組織になるという希望をこめて。明日は新体制発表会があるようです。

熱量の低い人たちを動かす仕組み

転職の理由が昇給やらやりがいみたいなものと勝手に思い込んでいたけど、仕事を固定して給料をあげるだけじゃなくて、給料を固定して仕事を減らすという選択もある。成長を前提にしたゲームをしている層と楽をして時間をつくるゲームをしている層がいて。会社は営利団体なので仕組みとして、拡大成長を目指す設計がされていることが多いけど、実際に働く人たち(特に若手)のマインドは、優秀であってもそこまでがちで働きたくない人たちが多くて会社の既存の仕組みとのアンマッチが起きている。となると会社は仕組みを変えるか従業員のマインドセットを変えるかになるが、スタートアップやベンチャーなど勢いのある会社でもない限り、社会情勢の影響は避けられず、会社の仕組みを変えるほうが手っ取り早い。これまで1人あたりの生産性をあげようとがんばってきたけど、生産性は頭打ちになるという前提で(社員はやれるけどやらないとして)、それでも組織としてパフォーマンスがあがる仕組みにしなければならない。平たくいえば、やる気のない人たちでも仕事がまわるような仕組みにする必要がある。労働人口の母数はエネルギーレベルが相対的に低い層のほうが多い感覚で、適度な雇用が会社には求められている気がする。過剰な競争社会は限界がきていて、自発性の放棄はひと昔前の考え方かもしれないけど、一周まわって人間とはそういうもんだとして(もしほんとに仕事が必要であるならば)それでもまわせる仕組みにしないといけない。人間にとって働くことはそもそも不自然でやれモチベーションだとやりがいだのとなんとかごまかして働きたいと管理しようとしたけど、やっぱり嫌なことは嫌なわけで楽な方向に流れながらもうまくのっかれることを人間は本能的に求めている。技術革新が進んだおかげでそれでもまわせる社会がようやくきている。

ものごとの本質

長沼先生のAI的な直観と人間の天才的な直観は違うって話、シャープだよなぁ。シンプルかつシャープ。この発想と着眼点。やばい。そこから、積み上げ式のラーニングではないモデルを構築しようとされており、そこからさらに戦略に着目。応用・発展のさせかたもユニーク。
本質というのはそこをピンポイントにつけば他も付いてくるようなポイントで、重心のようなものかもしれない。たいてい全体を一気に動かすことは難しく、動かすためのリソースは限られているなかで、ひとつ動かせば後は勝手に付いてくるという構造をいかにみぬくか。

ちくまweb「考える人」
第2回「人間の天才は、人工知能に最後に勝てるのか?」長沼伸一郎さん・後篇
http://www.webchikuma.jp/articles/-/699

0→1の難しさ

お客さんは投資家ではないので自分が理解できないものにお金は払わない。みえている世界が違い過ぎるとこちらの言うことがどれだけすばらしくても理解されない…お客さんの既定路線が明らかに古くて間違っているにもかかわらず。間違っているという認識を持てないのは仕方のないことで、こちらが歩み寄るしかないのだけど、市場をつくるってのはこうも難しいものなのか。へたに評価されてるから社内的にはアンチになり。過去を否定したくないのは人間の性で。方向転換はやいほうが良いに決まってるのに…問題はお金がしかるべきとこにはられないことで。べつにないなら払わなくたってよく。やればわかってくれる。やってさえくれればという思いはあるけど。むしろお客さんのなかで評価の低いひとを巻き込むのもありか。となるとメインストリームにのらなくなり結果あまりお金がつかない。先を見通す力があってリスクを定量化し、少しずつ前に進められる人。払う側、当事者にもいてほしい。

役割

アオアシ。名著。つまるところ教育論か。マネージャー目線もありつつ、プレーヤー目線もある。プロとして必要なマインドとスキルを身につけるために、どのタイミングでどうやって教えるか、身につけるか。
自滅する原因のひとつに、リーダーだから、キャプテンだからと勘違いして背追い込み過ぎるパターンがある。チームの代表になったり、そのポジションを与えられたりしたとき、それまでの思い込みで、勝手にこうあるべきと突っ走る。果たしてほんとにそうなのかと。アシトは、FWだから自分が絶対に点を取るんだというエゴから、周りと連動することを覚え、それでも無意識でフィニッシャーに自分を置いてしまっていたエゴが抜けきれず。でも最終的には点を取るのは自分でもよいというところに行き着く。アシトが点を取るという数字だけみれば同じだけど、最初と最後では得点の質がぜんぜんちがう。結果を出し続けなければならない世界では、狙って点を取ることが求められる。
チームで何を期待されていて自分はどう機能すればよいか。「サッカーをする」という表現がでてくるが、認識の共有ができてないと成り立たない。勝ちたいという思いは監督もコーチも選手も同じ。でもやるのは選手で、選手が自ら必要性を感じて動かないとハマらない。やり過ぎるのもよくないし、やるべきことをやらないのもよくない。チーム戦術に落とし込んだときに、個人の理解度がもろに出る。ひとりでできることなんて限られている。チームが勝つための役割。その理解と実行。

天皇杯決勝

いいゲームだった。先制されたセレッソは前半ほとんどくずせてなかったけど、焦る様子もなくチームとしてやるべきことを信じてやり続けたようにみえた。マリノスは3トップぎみで中盤をさけてシンプルに裏に放り込んでくる戦略だったのかな。前半の早い段階で裏に抜けた伊藤翔が先制。前半だけみれば、セレッソの4バックはFWを捕まえきれていない感じがしたし、特にサイドを突破して何度もチャンスをつくった。2点目を取っていたらゲームは決まったかもしれない。セレッソの細かいパスワークはマリノスの網にことごとくかかっていた。それでもセレッソは迷いがなく攻め続け、後半ついに同点に追いつく。この信念と戦い方の共有が強さかもしれない。こぼれ球につめたのが山村選手というのもしぶい。柿谷選手はおそらくコンディションはよくなかったけどキャプテンとしてピッチに立つことに意味があったんだと思う。個人のプレーでいえば、後半、右サイドで切り返して左で打ったシュート。たぶんあの一発にかけてたんじゃないか。左足甲を痛めている情報がでてたので、左で打ってくることはないだろうと切られてたコースの裏をついて、左足でうったシュート。惜しくも枠の外にはずれてその直後に交代したけど、感じさせるものがあった。延長は両チームともいがいと落ち着いてゲームに入ったなぁと思いきや、いきなり水沼選手が押し込み逆転。あとは全員で体をはって守り切っての勝利。終わってみれば中盤のソウザ選手と山口選手は最後までちゃんと仕事をしていたし、中盤以外でもみんなが役割を果たしていた。インタビューで山口選手が「チーム一丸となって」と。そのとおりの戦い方。ほんとにユン・ジョンファンのもとで、意思統一されたいいチーム。埼玉スタジアムの雰囲気も最高で。夕暮れどきが最高に美しく。サポーター、フロント、選手、関係者みんなの勝利。おめでとう。セレッソ大阪