なにそれ経営者のブログ

仕事と彼女と人生観

リアクションサッカーと創発的戦略

事前に過去のパターンを分析しどこまでプランしておくかは、時間とともに目まぐるしく変わるゲームにおいては議論の対象になる。ルールベースできめるところと原則に従って個人の裁量に委ねるところのバランス。経営戦略では、とくにスタートアップなどは中長期的な計画よりも日々の変化率を重視してざっくりとした方向性だけ決めて走り出し、現場の改善活動の積み重ねで結果的に戦略と呼ばれるものをつくりあげていくことも多い。変化の激し過ぎる業界においてはコストをかけて緻密に分析して計画することがあまり意味を成さなかったりする。
サッカーにおいて、守りながら攻める戦術があるが、決め打ちでいってしまうと、相手が攻めてこないと機能しなかったりする。例えば、スウェーデンとスイスの試合は、決勝ラウンドにもかかわらず、スコアレスのときから、お互い相手を攻めさせたく、双方ディフェンシブで観客からブーイングがでるほどのかなり退屈な(さすがに点をとられてからは攻めざるを得なかったが)ゲーム展開となった。チームの特徴、スタイルを変えないという一貫性はあるが、対戦相手によってハマるときとハマらないときがある。一方で相手チームにあわせて自分たちのフォーメーションや戦術を変えるリアクションサッカーは事前の分析があたればという前提があるもののある程度は機能することが保証されている。今回のワールドカップからタブレットの持ち込みが可能になったようで、後半からがらりと変えてくるチームも、もしくは後半15分過ぎから動いてくるチームも多いように思う。がらりとまでいかなくとも、ちょっとしたポジショニングを変えてミスマッチになる確率を高めたり、いわゆる中間ポジションのような敵の間でマークがつきづらい位置でボールを受けたり、するのは個人のセンスもあれど分析スタッフによる現場での微調整によるところが大きいと思う。
ソフトウェア開発におけるABテストのようにワールドカップ決勝ラウンドでさすがに2パターン試すみたいなギャンブルするチームはいないけど、西野監督が直前にフォーメーションを4-3-3から3-4-2-1と大胆に変えていたのはいまとなっては、日本はリアクションサッカーをするというメッセージだったのかもしれない。戦術の理解度、熟成という意味では短期間ではほぼ無理な話だけど、もし対戦国がこれまでのパターンにない戦術をとってきたならば、即座に反応しなければならないわけで。ワールドカップのような重要な大会では事前にわかりきった戦略をとってくるチームは強豪国を除いてはない気がする。ちなみにイングランドスウェーデンの試合は、イングランドが圧倒的にスウェーデンのうえをいき、それこそ相手が守ってくるということを想定したうえで中盤を消しロングボールを跳ね返し、スウェーデンがほぼ何もできずに終わった。たしかに1〜2回は決定機はあったが、それを決められていても、おそらくイングランドは勝ったと思う。これは強豪国にしかできない。
戦略は動的に形成されていき、創発的なプロセスが重要であることは誰もが理解しているが、これを実践に落とし込み実行するのはそうとう難しい。

知らない怖さ

その選択をしてしまった瞬間に終わるということがあり、選択したほうが悩むというのは大変理不尽な話で。そもそも誰でも同じ結果になるわけで、違う選択をしなければならない。同じだと思っていてもぜんぜん違うことがある。専門知識の差があればなおさら。わかりようがない。だからこそ、技術の均てん化は非常に重要でそのためにもサイエンスは必要。ブラックジャックの時代ではなくチーム医療。

ワールドカップの周期

ブラジルのときとロシアのときと。それぞれ自分の中を通り過ぎ、去っていった女性がいる。ワールドカップの周期はわかりやすい。そのときはその子しかみてないから比較なんてしないけど、振り返るとせつなくなる。胸が苦しくなる。ゲッチェの決勝ゴール。そのときの彼女とはどっちが勝つか賭けていてどっちにしろどちらかがおごるからそれを口実にデートできるみたいな。高校生かよ。初々しい。「ゲッチェかわいい」。そのことばにちょっとした嫉妬を感じながら、気の抜けるようなかわいらしいコメントを残し。そして今回のロシア。まだ決勝トーナメントの途中だけど「カップの絵がかわいくないー」。フリーキックてなに?なにが楽しいのかわからない!とか言いながら、でもつきあってくれた。「ベルギーみんなかっこいい」。こういうしょうもないけど彼女たちの独特な感性は刺激的で、そういうことばはたぶん忘れない。このくそ忙しい時期に深夜のワールドカップはほんとにやめてほしい。結局終わったのは3時とかで朝6時に出なきゃ、みたいなこと言ってたなとか思い出すときが4年後にまたくるのかな。始まりがあれば終わりがある。始まらなければ終わらない。四年後はすでに始まっているのだろうか。そのときは誰と一緒にいるのだろう。既に出会っている人?これから出会うひと?決めているのだろうか。 

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彼女とダナンと最後の花火

成田に戻った。ここ数週間のできごとを振り返っている。たしかに会える時間はほとんどなかったけど、付き合ったってちゃんといえる人だった。確実に刻まれている。不本意だ。くやしい。朝が悲しくなるのははじめてだったし。彼女のことを考えて泣きそうになることもはじめて。好きだとか付き合うとかそういうのはいったん忘れて。別れちゃった。たしかにそういう表現がぴったりかもしれない。振られても振ってもいないのに。実際、企画としておもしろいなぁというかるいのりではじめたけど、付き合うってちゃんと決めないとわからない深さがある。付き合うこととは「どうやってその関係性を継続させていくかを考えること」なのかもしれない。ネガティブな持続性ではなく。彼女だったから成立した。ありがとう。心からそう思う。

ダナンは夢みたいな場所だった。バイクばっかりでクラクションがうるさくて、ひかれそうになるけど、現地の人たちが地に足をつけている感じがあった。毎日くそつまらない日に体重を乗せて情熱をもって暮らしているような気がした。外国人だからそう感じたかもだけど、だまそうとかぼったくろうとかそういうのも含めてエネルギーがある。

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彼女は作品に妥協したくないと言っていたなぁ。なんども辞めたいと思いながらもぎりぎりでつないでるのは、人の夢がかなう瞬間にたちあえること?やなことばかりじゃないんだねきっと。やっぱり思い出は嫌いだ。

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ドイツ対スウェーデン マッチレビュー

ドイツは最初から攻めまくった。初戦おとしているから当然だろう。スウェーデンはメキシコみたくカウンター狙い。力の差があるから攻め対守りの構図がはっきりした展開。ブラジルにしろドイツにしろ。王者が本気で勝ちにきているのは迫力がある。スウェーデンの伝統的な4-4-2とドイツの現代的な4-2-3-1。どんなに人が動いても場所に人がいればハメれるというお手本のような。こうやって守るんやでと。まずは守備からとよく言うけど、守っているほうが有利なのではとすら思えた。4-4-2は最もバランスよいから古典的だけどやっぱりその良さはある。世界の最先端はこれやで。データでもこれが最強や(ドイツ) VS わしにそんな小手先のテクニック通用せん!(スウェーデン)みたいな。前半32分にスウェーデンが先制。リーグ戦でほとんど点をとれていなかった選手のようで、その選手に一発をくらわされ。とはいえ、後半3分に追いつく。この展開でスウェーデンの勝ちにいくのか引き分け狙いでいくのかを迷わせたところもある。たっぷり時間があるなかでもう一度やり直そうとしたスウェーデンど勝負を決めにいきたいドイツ。からのボアテング2枚目イエローで退場。前半にもボランチの(おそらく戦術的にキーマンだった)ルディのアンラッキーな負傷交代を余儀なくされ、センターバックもここで欠くことに。どこまでドイツに試練を与えるのか。ドイツはここでディフェンスを3枚で勝ちにいく姿勢を貫いた。リスクの高い賭けで何回もピンチを招くがノイアーを中心にしのぐ。やっぱりまだツキはスウェーデンにあるのかと…そしてドローのままロスタイムに。からの後半49分の歓喜。ドイツサポーターも呆然。なんてものを見てしまったのか!の表情。最高な瞬間。これぞワールドカップ!

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量産なんてない。すべて一品モノだ!

ものづくりの現場の社長から「ミシンの原理がわかってるから、そのミシンがなくても同じものはつくれる。ただ、量産するにはそのミシンが必要だ。」という話を聞いた。ものづくりの本質だとおもう。自動車だっていまでこそ量産されているけど当時はワンオフの一品モノだったわけで、あとから量産にしたというほうが正しい。量産するための設備をつくって量産品になったはず。既に市場があれば量産になるけど、基本的にはすべて特注である。新しいものをつくるときは、量産かどうかは問題ではない。マーケットの大きさとか採算を先に考えると、マスを狙うことになりがちだけど、マスはつくるもので最初からあるほうがおかしい。冒頭の社長。「ミシンを使うことができるひとは多いけど、そのミシンの原理をわかっているひとは少ない。」これこそが核心では。高度化や専門化が進み過ぎて使うこととかこなすことだけに終始してしまいがちだけど、そこじゃない。たくさんつくるのではなく必要なものをつくる。

スウェーデン対韓国 マッチレビュー

韓国のPK与えちゃった選手、まったく悪くないから。ハイライトはそのシーンが繰り返し取り上げられちゃっていかにもやらかした感でるけど、右サイドバックが適当に前に蹴ってボールを失ったことがすべてだから。イージーパスミスをした選手のほうがよほど責任は重い。表面的なわかりやすさに流されないようになぜそうなってしまったのかまで考えなければならない。ゲームみた人なら流れでわかるけど、そのシーンだけわかりやすく切り取られるといかにもって感じになる。そういうのはほんとによくなくて、ぜんぜんわかってない。表面的な原因のほうが伝わりやすいし、共感が得られるけど、実際にはそうじゃない。ほんとにそうなのかを疑うこと。ところで、韓国の20歳のエース。素晴らしいセンス。