なにそれ経営者のブログ

仕事と彼女と人生観

言葉の重さと深さ

頭の回転が速すぎて言葉がついていかない人がいる。日本語という表現を使うと言いたいことの半分も言えていない感じ。一方で自分は相手の言ったことを理解はできたけど瞬時に改めて説明できないことがある。現象だけをみれば同じにみえるけど、一方は天才で一方は凡人。明らかに言語以外で理解するというプロセスがあることを感じる。言語がなくともコミュニケーションはできる。言語は後天的に身についたもので、生まれたばかりの赤ちゃんは言葉はないけど母親とコミュニケーションしている。大人になって言葉を身につけると言葉が先にあるような錯覚におちいるけど、言葉より先に実態がある。そういう意味では身体的に立ちあがってきた言葉かどうかは峻別することができてしまうため、対人間におけるコミュニケーションはごまかしがきかない。昔CDできいた音源を最近Amazon MUSICで聴きながら、これほどまでに深みのある立体的な声だったのかと驚く。生で聴いたらこれ以上だと思うとライブまじでヤバイ。

繰り返しに耐えうるか

イチロー選手は調子の悪いときでも最低限の結果は残した。好不調の波が少ないことがプロだと言っていた気がする。ラッキーパンチではなくコントロール下にある。プロの作品は、同じようにみえるけど飽きない。毎回毎回、観るに耐えうる。わかっているけど(実際には自分がわかっていないからだと思うけど)なんどもなんどもいいなぁと思える。なかなかない。同じものをみて感動できるってことは素晴らしいことで。ジブリ作品が一定の期間をあけて繰り返し放映されるけど、初めてみたという人よりも観たことあるけどまた観たいという人のほうが多いと思う。なん回観てもいいものはいい。繰り返しに耐えうるか。プロのレベルはそういうもの。まさにレベルの違い。観る側が作品に追いついていないから感動が薄れない。それだけ研ぎ澄まされて追い込んでいる。妥協がないし、完璧に近い。日々の仕事でハイレベルを維持できているか。

利益相反

利益相反の問題は他人ごとではない。法的に利益相反とみなされるが、実質的にそうでない場合。もしくはその逆。1人の人間が複数の帽子をかぶっているのが普通なこの時代、個人にとって利益と信じて行動しても、個人と組織で利益と不利益になる構図がうまれる。組織は多くの人がいてそこに属していればその組織の論理に引っ張られ。ゲームのルールは倫理ではなく論理。どうあるべきかではなく、いまどうなのか。大学であれば他の大学職員から、会社であれば他の株主から刺される。誰にとっての不利益か。ほんとうにそれは不利益なのか…性格が曲がっているかよほどの悪人でない限り、個人の利益を優先させることなんてないと信じたいけど、良かれと思ってやっていることも他人からすれば良くないと感じられることもあり。もはやルールを超えた倫理の問題になる。しかしながら倫理は答えがなく、よいか悪いかは別として現実社会では論理という枠組みでの議論になる。慶応の大屋先生は「裁判は正義の実現手段ではない」(*)と言っている。また、筑波の落合先生は「どう考えてもおかしいでしょ。国立大学の教員を辞めてまで、スキームを構築するなんて。でも、スキームのポイントはそこにあります」(**)と言っている。現行の仕組みで通そうとするとうまくいかないことも多い。ルールは必要だからつくられている。基本的にはルールはひとをハッピーにする。だけどたまに、現実に即したルールでない(たとえば、仮想通貨のようにテクノロジーの進化にルールにが追いついていない、あるいは、ルールに従ってつくられたけど現場は感情的に納得がいっていないなどの)ことがあって、ハッピーになれない。論理よりも倫理。だからこそ論理を倫理にフィットさせるべき。そんなことは待ってられないならば、いまの論理はおかしいよねと世間に問いかける姿勢。

* 大屋雄裕「裁判の原点:社会を動かす法学入門」 (河出ブックス) https://www.amazon.co.jp/dp/4309625096/ref=cm_sw_r_tw_api_coSUBb9X9AWMC

** 2018.10.5 DX LEADERS
「国立大学がベンチャー企業のR&Dを促進させる 落合陽一が構築したスキームはイノベーティブだ!」
https://dxleaders.com/business/895

ポジションにいるひとの責任と自覚

権力やポジションをもつひとの責任のひとつに、決して感情的になってはいけない、ということがあると思う。感情的になることほど、愚かなことはない。自らの行動に多くの人の影響が出てしまうことを意識すべきで、その場限りの自分だけの身の振り方でネガティヴインパクトを出すのはよくない。すごく腹がたつから契約切ってやろうかとやろうと思えばできてしまうことの危険性。いっときの感情に流されて取り返しのつかないことになることもある。自分がどうというよりも他者への影響力をもつ人間の責任。メディアに関しても似ているところはあり。切り取られる箇所がどこかはわからないけど、そうとられてもおかしくないような発言をするのはリスクであり、隙をみせたらもっていかれる。ただでさえ、メディア側のロジックで動いているのだからこちらの発言には相当に気をつけたほうがよいし、気をつけるというよりはほんとうにそう思っていれば立ち振る舞うときに変に意識することなく堂々としていることができる。

追伸)会社法、またそこで定められている株主総会みたいな仕組みはこうした個人の暴走を防ぐためにつくられた方法で基本的にはうまく機能すれば感情で動いてしまうような個人の愚行を防ぐことができる。ルールは縛られるものではなく活用するものだ。

持続可能性、進化、人工知能…

池上先生の講演メモ。AIは加速させるアルゴリズムだけど進化は加速可能ではない!細胞のターンオーバーを早めても進化はしない。多様性を担保しながは突然変異を繰り返して突破するという。関連しておもしろい動画をいくつか。


* The Evolution of Bacteria on a “Mega-Plate” Petri Dish (Kishony Lab)

 https://youtu.be/plVk4NVIUh8 ‬
濃度が異なる薬品をぬったプレートで大腸菌を進化させ、進化の樹形図を実際に視覚化した実験。
‪「両端から増殖する大腸菌は、抗菌薬の濃度が高くなる境界線でそれ以上増えられなくなります。しかし、しばらく待っていると、その境界線を突破する菌が現れ、新しい領域を埋め尽くします…薬剤耐性菌が進化していく姿を実際に見ることができる大変貴重な映像」

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/55055?page=2
自然の状態のやつははやく進化するし、そうじゃないやつは遅く進化する。時間のスケールが異なるものを同居させることによって生き残ることが可能になる。自由度を残しつつ細胞を分化させることが大事。同じ作物を3年間作り続けるという育たなくなる土壌微生物のネットワークと同じ。多様性の担保。


* long now foundation
http://longnow.org/clock/

10,000年動く時計をつくるプロジェクト。100年とか1,000年のオーダーではなく10,000年と考えたときに何がどんな仕組みが必要か。機械仕掛けで朝夜の地熱の寒暖差を利用してエネルギー変換して動かしているらしい。実際の場所に行くと人間に「ちょっとネジを巻いてね」と書いてあるという(笑)。


* ‪Life in life
https://youtu.be/xP5-iIeKXE8
オートマトンライフゲーム。スケールを変えると同じ構造が現れるってやつ。1倍でみていた世界の構造が1,000倍でみるとじつはその世界でも同じ動き。自分自身をシュミレーションできるってことは、自己修復可能だから、壊れたときに自分で頑張れば元に戻せるということ。技術をつくる技術の必要性。

和装

和装をしてみた。日本人がミニマリストたる所以がわかったような気がする。着てみて気がついたこと。


1.小股で歩くようになる
大きく動けない。段差のある階段が超不便。急ぐこともなくなるし、そもそも走ることができないから余裕を持ってもって行動するようになる。


2.荷物を持てない
洋服とちがって和服にはポケットがない。ちょっとしたものを入れる手提げ袋みたいなものがいる。たくさんのものを入れられないので自然と荷物は少なくなる。


3.背筋がぴんとなる
帯でぐっと閉められているとしゃんとした姿勢を自然と保つ。猫背だと着崩れてしまうよう。和服で生活するとかなり、窮屈さを感じ、逆に言うとこれまでの、日常生活においていかにだらしのない姿勢をしている時間が多かったか。正座したり和式便所でうんこしたりするのは極めて理にかなっていて和服とフィットするライフスタイル。