なにそれ経営者のブログ

仕事と彼女と人生観

ゴール設定の意味

目標はつきつめるとなんの意味もないが、目標があることに対するモチベーションにすごく意味がある。行動するための理由になるだけで続けることができる。例えば、アンケートなどで回答率を3割と設定するとまじめな人ほど3割を目指してがんばるようになる。人によっては達成できないような目標で燃える人もいれば、達成できる目標でがんばれる人もいる。値の高低はさておき、個人的にはモチベーションの源泉というところに真の価値があると感じる。オリンピアンが金メダルをとってしまったあとに目標がなくなり練習に力が入らなくなるとたまに聞く。突き詰めれば、金メダルそのものにはなんの意味もない。また、重要だとされる、世間的に多くの人に注目されるビッグゲームで勝つことにもなんの意味もない。ただ、そういうゲームをプロデュースしている人がいて興行的に盛り上がるようつくりあげているに過ぎない。意味がないところに人の注目を集め、意味があるようにみせている。実際、多くの人の気持ちを揺さぶるし、意味があるといえばあるかもしれない。何もないところに場を提供し多くの人を魅了している。プレーヤーからみれば、そういうのがあるからこそがんばれるし、それに向けて打ち込むことができる。

必要悪な社会性

悪いと思っていないことに対して謝るのは必要な社会性か。こどもが大人を叩き、叩いたから「謝りなさい」としつける親がいた。その子は頑なに謝らない。おそらく悪いと思っていない。その気持ちはわからなくはない。叩かれた大人は笑っていて、たいした痛みも感じていない。子どもは純粋で、悪くないのになぜ謝るのか!という反応を示す。悪いと思っていないのに謝るという行為はかなり高度だ。大人は、自分が同意できなくても相手によせる行為を簡単にできるしよくする。ある意味打算的で不誠実。人間は社会的な生き物だから相手の立場にたって考えることは必要な能力ではあるけど、謝るという行為でごまかすのではなく、素直に自分の気持ちに従うことも純粋なこころを持ち続けるためには大切。
ダニエル・デネットは子供が『心の理論』を持つと言えるためには 、他者がその知識に基づいて真であったり、偽であったりする志向 や信念をもつことを理解する能力、すなわち誤信念を理解すること が必要であると示唆した(*)」。誤信念課題(False-belief task)は、簡単にいうと、自分が知っている前提条件と他人が知っている前提条件は違うことを理解できるかというタスク 。他者への共感能力とは少し異なるが、正しさの芯は心の発達前にあるのだとすると、大人が変に強制するのはよくない。

* ウィキペディア「心の理論」
https://ja.wikipedia.org/wiki/ %E5%BF%83%E3%81%AE%E7%90%86%E8 %AB%96

ベトナム戦レビュー

アジアカップベスト4をかけた戦い。ベトナムは後半明らかに疲れがではじめ運動量が落ちた。前の試合のフルセットが影響したのかもしれない。個人的なハイライトは吉田選手の笑顔。VARで得点が取り消された直後のコーナーキックの合間、レフリーと笑顔で話していた。この余裕さ。どんなことが起きても動じないと試合前に話していたが受け入れる覚悟があるように思えた。なんでだよと言いたくなるところをぐっとこらえてそうだよね仕方ないよと受け入れる。シビアな戦いであればあるほど器のデカさが効いてくる。緊張感ある試合だからこそ。自分たちに良くないことも良いことも。心の安定性はキャプテンに重要な資質。チームとしてもそれでみんなが安心してチャレンジできるし、やるべきことに集中ができる。

ブレない何か

お金の話は嫌いだと言いきった社長。そう言いながら儲かっているから説得力がある。おそらく本音だろう。利益の出ている会社は製品単体で儲からないからやらないというのは間違っていると断言。余裕があるのであれば、最初に数値を出すのではなく、まずはやるべきことを決めて突っ込むべきだと。お金ではない目標設定。製品開発のときには全社員が一枚岩になるという。使命感とか社是みたいなものは古くさいと思われがちだけど、会社経営に関してブレない何かは基本。最初から適切な言葉に見つからなくて表現できないこともあるが、少なくとも社長のなかでは持っておくべきことのように思う。

ROIで示せないもの

各部門でやっている細かい作業は独自のエクセルが勝ってしまってコスト削減を説明できないからシステム導入が進まないと言っていた。全社で共通で使うシステムはロジックをかためて言い訳をなくせばYESとしか言えなくすることができる。一方で、細かい作業もたくさん集まれば無視できない量になる。費用対効果が説明ができないからしたほうがよいことをしない。「意味があるなら説明できるはずだ」というのはそのとおりなのだけど、そうやって確実なことだけにしぼりこむのはろくなことがない。指標はコスト削減でなく、売上増加のほうがまだ示しやすい。リターンをいつ時点にするか問題もある。ROIは評価時期を先にすればポジティブになりやすい。システムを入れた直後に効果がみこめなくとも10年後に効果が見込める。でもそんなの待ってられないから結局ほどよい時期でのいい感じの説明になる。ロジックは結論が決まっていることに対する肉付け。対外的にその理由を探しているだけ。だとすると、最初に結論を決めるところに刺せるか。その時点でロジックはない。

申し訳なさ

申し訳なさは誇れる文化だし、日本人の強みだと思う。人が何か困っていると助けてあげなくちゃと思ったり、誰も見ていなかったとしても綺麗に掃除をしたりする。そもそもあたりまえのように「そうしなくっちゃ」というマインドが根底にある。田舎の暮らしになにか温かみを感じるのは礼節を重んじたりすることを含め、自分たちの心に素直に従っているからじゃなかろうか。曲がっていない、というか、真面目なひとが多い。申し訳ないなと思って健気に頑張る人がある。残念な努力をしてしまうような人も含めて。汚いことに関して何も感じない人もいるが、日本人は多くの人がふつうに綺麗にすべきだという考え方が通底している。ワールドカップでサポーターが掃除をして帰るていうのは、メディアがわざとらしく伝えると嘘くさいけど、そういうことを日常的にやっているんだよという外国からすると理解されないような精神性が日本にはある。

人の見え方

人をスペックでみる、という最低な行為は全く理解できなかったのだけど、その人と共同で何かをすることを考えるとそういうふうにみえてしまうことがある。人を利用しようとしているだけのやつは自分のことしか考えておらず、仲間がついてこずまったく筋の悪い方向にいく。例えば、誰かと結婚して子供を作ることを考えるとスポーツができたほうがいいなとか、背が高いほうがいいなとか、イケメンのほうがいいなとか、どこまで遺伝するか知らないのに無根拠にそうやってスペックで判断してしまう。純粋に好きか嫌いかではなく。社会性を判断してしまうところがあり。これはこわいことだなぁと思った。