なにそれ経営者のブログ

仕事と彼女と人生観

他者への純粋な思いやりは存在するのか問題

他人のために行動するみたいな慈恵の心はもともと人に備わっているから、他人の幸せは自分の幸せというロジックは、とはいえ自分を犠牲にしていてストレスがかかる話じゃねーか、とすこしひっかかるところがあったのですが、世の中には同じようなことを考えているひとはやっぱりすでにいて、そういう自己犠牲を克服して他人(身近なひとだけでなく遠く知らない人にまで!)に気持ち良く尽くすというムーブメントがあるらしい。

そのムーブメントは、効率的な利他主義(Effective altruism)といって、彼らは、感情や直感の犠牲になることをわかっていながら論理的に考える、という立場をとっています。それでもなお論理に頼るというところがアメリカぽい。数字を重視していて「じゃあそれで何人が救えるのか?」「同じお金を使うならもっとこっちのが効果がある」みたく根拠をもって、論理的に正しいことを心の底から納得したうえで行動を決めるので、自分の能力やお金を社会のために使うことに対して全くネガティブではない。むしろ自分が質素な生活になっても幸せだという。

 

◯私たちが最大化すべきなのは幸福の総量であって、幸福の平均値ではない

やや極端な例ですが、地球に起こる次の三つの可能性があったとき、彼らは1と2の差より、2と3の差のほうがはるかに大きいと考えています。

  1. 平和
  2. 核戦争で人類の99%が死滅
  3. 核戦争で人類の100%が死滅

「2であれば、少なくともあと10億年は地球に人が住み続ける事は可能。文明が生まれたのはわずか数千年前。もし人類が絶滅しなければこれまでの数千年は文明を持つ人類の歴史全体から見るとほんのわずかの断片でしかない。だから2と3の違いはこのほんの僅かな断片とその後の歴史すべての違いになる。人類の歴史を1日と考えれば、これまでに起きた事は1秒の数分の1にしか過ぎない。」byボストロム

参考)

TED ピーター・シンガー
「効率的な利他主義になる方法」

www.ted.com

 

ピーター・シンガー
「あなたが世界のためにできるたったひとつのこと」

https://www.amazon.co.jp/dp/B019MG22DU/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1