なにそれ経営者のブログ

仕事と彼女と人生観

空気を読み過ぎる弊害

仕事のイメージを表す漢字の1位が「耐」らしい。調査の信憑性はさておき、仕事柄、中小零細企業を相手にしているのでとてもしっくりくる。いわゆる下請けで長年やってきた人たちは、取引先に嫌われると仕事がなくなるので、常識的におかしいことも飲み込んでしまう。取引関係的に弱い立場で、競争にさらされていると、吠えたところで別の業者に変えられて終わりなので、ほとんど抵抗しない。だったら力をつければいいじゃないかというのは強者の論理でそれができないから耐えている。メンタルの問題ではなく、強い資本力や製品力がないなかでいかに明日の飯の種をつくるかという勝負をしている。
弱い中小企業は、業界のカルチャーで外資なんかに言わせれば「狂っている」ことも、多くの企業がやっているという理由だけで同じように立ち振る舞う。極端に言えば、既存の仕組みを肯定してそこでいかにうまくやっていくかという方向に向かう。おかしいからなおそうと、仕組みを変えようとはしない。そんなことよりもいま必要な金を取りにいく。組織に順応する人たちは、違和感がないわけではなく、こいつらアホやなと思いながら、ニコニコして仕事をしている。自分が正しいと思っていても全員に否定されると自分が間違っているという錯覚に陥いることがあるが、まさにその状態が恒常的になっていて、組織としての立ち振る舞いと個人の私情はたいてい一致していない。権力側が現場の実情を知り、賢者があらわれて是正されればみんなハッピーなんだけど、それでも末端にはなかなか浸透しない。社会を下支えしているひとたちは耐えている。それでも爆発せずやっていけているというのは素晴らしいけどそれで幸せなのか?空気を読み過ぎているんじゃないか。

参考)
http://ranking.goo.ne.jp/column/article/3891/