なにそれ経営者のブログ

仕事と彼女と人生観

メッセージを突き刺す強さ

トランプは「世界の警察をやめる、自国のことは自国で守れ」と言っている。外国に介入してアメリカ色に染めるなんてのは無理で、というか過去の経験から無理だったと学習した。それで均衡が保たれていた時代はもう終わった。「よかれと思ってやったのに、言うこと聞かないんなら、だったら勝手にやってくれよ」と突き放した格好。困るのは、マイノリティーとして保護され、実際、少なからずアメリカ政府に守られてきた人たち。悪い方向に加速するという不安感があるのは否めない。とはいえ、いま見捨てただけで将来的には手を差し伸べると信じたい。他人のお節介していたら自分のとこがヤバくなってきたから、まずは「強いアメリカを!」という判断か。
ニュースにも取り上げられていたが、トランプはツイッターで個別企業にもツッコミをいれている。
Toyota Motor said will build a new plant in Baja, Mexico, to build Corolla cars for U.S. NO WAY! Build plant in U.S. or pay big border tax.
これに対し、トヨタはアメリカの雇用が減ることはないとコメントした。フォードが工場建設を撤回したことに対しては賞賛している。
Thank you to Ford for scrapping a new plant in Mexico and creating 700 new jobs in the U.S. This is just the beginning - much more to follow.
これらは就任前のただのツイートで、実際、雇用がどうなるかわからないが、トップダウンでメッセージを突き刺す強さにセンスを感じる。「俺はアメリカのためになることをする、メキシコに工場をつくる企業はクソだ」といわんばかり。やろうとしていることが誰にでもわかる。簡潔でわかりやすい。雇用問題のような複雑な問題をイエスかノーかの二項対立にして「おれはこっちだ、お前らはどうだ?」と突きつける。簡単に標的にできるメキシコを使って進むべき方向を強烈に示すやり方。問いが間違っていたとしても、大統領に問われた側は答えざるを得ない。答える側は、相手の土俵で、しかも先にポジションをとられているので、どうしても不利になる。メディアがトランプの文脈で報道すれば、雇用に影響がなかったとしても、ずっと前からメキシコ工場建設は決まっていたとしても、なんとなく企業にネガティブなイメージを持つことさえありえる。己の結論ありきで世間を動かす手腕が巧い。