なにそれ経営者のブログ

女の子は好き。でも結婚したくない。

信頼とは何か(続き)

「都市を生きぬくための狡知  タンザニアの零細商人マチンガの民族誌」を読んだ。商売は欲望と人間でまわっているということをありありと感じさせられる。著名な経営者の本なんかよりよほどためになる。実際に起きていることだから迫力がある。何度も読み返したい。以下、信頼に関してのメモ。本から引用。

---

ウジャンジャに対する信頼とは、中間卸売商と小売商が互いの苦境や生き抜く必要に対して共感する力を持ち、他者の心を読み取り、賢く行為できることにある。ウジャンジャに対する信頼とは、次のようなものである。「友だちを信じるということは、彼が絶対に嘘をつかないとか、絶対に裏切らないとか、困ったことがあれば、絶対に助けてくれるはずだと信じることではない。そういう「絶対」と言うのは友達に一方的に期待していることであり、彼を信じていると言うことではない。友達を信じると言うことは、彼は困ったらこうするというのは他の人よりも自分が理解しているということだ。」…(略)…しかし、このような個別の人間の性格やウジャンジャな戦術に対応した「人格的信頼」が重視されているからといって、彼らができる限り他者の行為を許容すべきとする、寛容の精神で動いていると見るのは、間違いである。そのような寛容さは、この古着商売にとっては危険なものである。…(略)…「サイレンが見えなかったらダメだ。サイレンと言うのは心がなかったら見えない。相手がどんな人間かわかろうとしなかったら、この商売はやっていけない。カジャンジャはすぐにどこに住んでいるかを聞きたがる。でもそれは、知らなくてもいいことだ。彼らと渡り合っていくためには、心と信念がないとダメだ。ここ(市場)にはいろんな人間がいる。それぞれがいろいろなやり方を知っている。でも嘘がわかったからといって、「嘘でしょう」なんて簡単に言うんじゃない。どうして嘘をついたかを考えるんだ。サイレンが見えなかったら、また助けてはだめだ。カジャンジャも嘘を言えばいいからだ。でもサイレンが見えたら、損をしてもちゃんと助けるんだ。」…(略)…この言葉には、違いの適切な距離に基づいた関係性と、支援のバランスに対する並々ならぬ配慮がある。

---