なにそれ経営者のブログ

仕事と彼女と人生観

強者の美学

ドンケツがめちゃくちゃおもしろい。ありとあらゆるヤクザ漫画を読んだってひとから「ドンケツ」がいちばんヤバいって聞いたけどたしかにヤバい。これまでマンガといえばサンクチュアリー一択だったけど二択にしようかと思うくらい。
強いというわかりやすさ。そして実際ハンパなく強い。ケンカが好きだというブレない軸。それとばりばり現役。ここ重要。いま強い。いま。ロケマサやゲンコが「喧嘩のカンが鈍ってんじゃねぇのか」と目上の連中に絡むシーンがある。昔は強かって偉くなったかもしれないけどいま弱いんなら怖くねぇと。
あらくれ者の組織を統率するにはロジックがいる。任侠で支配しようとする月論会の幹部。人間の欲望につけ込み、外道なやり方で金や薬を使って急速に力をつける十五夜組。ロケマサは、そういうごちゃごちゃした政治的な世界とは別の次元で生きている。価値観の次元が違う。もちろん強いだけでは出世はしないし(だからドンケツのまま)、偉くないと権力や金がないから大事なときに人を救えない。友人のススムを救えなくて自分は強いだけで権力がないと守ることができないと悩むシーンも。だけどひとはやっばりシンプルで原始的なところに惹かれる。研ぎ澄まされた野性味。組の違うゲンコや速水はそういうところで繋がっている。
数字の世界では数字を出したやつが勝者と言われる。策略があって運もあって第一線で活躍しているやつがいる。けどたまたまそいつが巡り合わせで第一線にいるだけで、もっともっと多くの実力者がいるはず。数字が出なければ敗者だけどそれがすべてかと思わせてくれる。勝者ではない強者の生き様もある。