なにそれ経営者のブログ

仕事と彼女と人生観

仕事と事業

仕事を創り出す能力と実行する能力は違う。ゴルゴ31は依頼者との約束は必ず守り、完璧に「仕事」をするためプロフェッショナルの例えとして出されることがあるが、ここでの「仕事」は依頼人ありき。依頼が出ればめちゃくちゃ完璧にやり遂げることができる(その過程で創意工夫はもちろん必要だ)が、依頼をつくるほうもこれまた重要な「仕事」。仕事=つくる+実行する と分解すれば、多くのひとは「実行する」仕事をしていて、つくってない。「つくる」ということに関して、自分のイメージをうまく伝えられないが、単にこれまでにない何かをつくる、とかそんなレベルではなく、新しい発想や着眼点が含まれていること(つまり、やっていることは同じことでも考え方や意味づけが新しいこともあり得る)、世の中のひとが気がついていなかったけど言われてみればあたりまえのこと、なぜそれがよいのかわからないけど瞬時によいものだと感じられること、などがその条件としてあるように思う。以下でいうところのcreateの2番目の意味に近い。

create
1. to make something exist that did not exist before
2. to invent or design something

invent
1. to make, design, or think of a new type of thing

design
1. to make a drawing or plan of something that will be made or built
2. to plan or develop something for a specific purpose

ちなみに、稼ぐ能力もまた違う。事業=Σ(仕事)とすると、事業をコントロールする能力は、仕事で求められる能力とは全く別に感じられる。資本主義のゲームでは、仕事に対して値段をつけ、お金という共通項を用いて良し悪しを測っているけどお金の大きさと本質的な仕事の良し悪しとはなんら関係がない。払う人と払われる人のバランスでお金は動いているので、そこに道徳的な観点は介在しない。それがお金という指標の限界。しょぼい仕事でもうまくやれば稼げるし、素晴らしい仕事でも赤字のことはある。仕事をがんがん創り出してまわすことができても、事業にする、要はキャッシュインをキャッシュアウトより大きくすることを目的に、そのオペレーションを考えるのは、それはそれで違う能力。など考えていたら、タイムリーにこんなTweetが流れていた。botだけど。

「お金を儲けるっていうことを考えた瞬間に、それはもう20世紀的発想で、リーマン・ブラザーズと一緒なんだよ。」by 高城剛