なにそれ経営者のブログ

仕事と彼女と人生観

難しい話は簡単に説明できるか

まったく畑違いの業界に触れると専門用語が飛び交っていて外国に紛れ込んだかのような錯覚を覚えるが、言葉の意味がわからないだけでコミュニケーションのベースとなる文法は結構シンプルだったりする。なのでよくわかっている人に専門的な言葉を使わずに説明してもらうとわかった気になることはできる。正確に理解するためには難しい話は専門用語を使わざるを得ず、難しいまま受け入れる必要があるかもしれないが、難しく理解している人の構造を転写すれば他の人も訓練すれば理解できるようになるとおもう。数式など特殊な表現ではなく言葉で表現できることは、分解すれば原子みたいなものに行き着いて、原子の組み合わせで成り立っているのだとすれば、誰かの思考をトレースすることはできる。あるいは個別のことはわからなくてもルールさえつかめば理解できる。「状態として複雑でも、そこに構造があれば、人は理解できる」と言っている研究者の方もいる。
しかしながら、コミュニケーションツールとしての言葉は万能ではない。誰かの経験的、直感的、身体的、感覚的な理解は言葉に包摂されないニュアンスがあり、固有である。複雑なことは切り出して部分的に正確に伝えることはできるが排他的な理解に過ぎず、対象としての全体を理解したとはいえない。人間はロジックや構造がなくても理解することができる。むしろロジックのほうが後付けかもしれない。先に理解があったとすると、そもそも自分自身でさえ意識していない理解があって、自分でわかっていないのだから人に伝えることはできない。
もし難しい現象をちゃんと理解しようとするなら感覚的に捉えるべきで、難しさを経験する必要がある。