なにそれ経営者のブログ

仕事と彼女と人生観

資本政策

皮肉なことにバリュエーションが高いほど、経営陣による増資は難しくなる。自社の株はキャッシュがないという意味でまず買えない。なので創業時の生株はちゃんとリスクをとった人間が握っておくべきで、上場を強く意識しない(VCなどを入れてない)会社だとしても考えておいたほうがよいという。例えば、創業時に1株1万円で100株発行して資本金100万円。次のラウンドでバリューアップして1億円と評価されれば、1株100万円。1000万円出すよという投資家は10株しか買えないので、1100万に増資しても、創業者と投資家の株主比率は10対1。ここで、新株の発行価額を簿価にするか時価にするか問題がでてくる。会社が成長しているのであれば普通は時価らしい。でないと実質的に投資家に経営権を取られる。さっきの例で株価を1万円のままとすると、株主比率が1対10と逆転してしまう。創業者はリスクをとって会社の価値を高めたのにいきなり現れた知らない1000万円おじさんに会社をもっていかれ、そりゃないよねと。まあここまでは教科書的な話だけど、実際、非上場会社の株価に法的根拠はなく、計算式はいくつかあるものの、どうしたいか、それでいいのかという思いによってどうとでもなる。買わせないようにめちゃくちゃ高くバリュエーションしてもらうこともできるし、既存株主を納得させて簿価にすることだってできる(時価総額をあまりに低くおさえることによるメリットはあまり見出せないけど)。確かに税率の問題やらいろいろあるけど、そういう法的拘束力は株価が決まったあとに関係してくるわけで。株主総会でYESと可決されればそれで終わり。当然といえば当然なのだが、弁護士に聞いても会計士に聞いても税理士に聞いても社労士に聞いてもそこに答えはない。そして感覚的にこの手の話は実務とつながっているようでつながっていない。株価がどうであれ実体経済は動く。お金というキーワードで実態と接続している一方で、なんの価値もない独立したシミュレーションゲームのようにも感じることもある。だからといって時価総額に意味がないのかというと無意味でもない。考えがうまくまとまらない。