なにそれ経営者のブログ

仕事と彼女と人生観

無駄の裏返しとしての価値

仮想通貨の価値の源泉をマイニングコストと考える場合、いまはエネルギーコスト(電気代)と交換されている。「中央銀行が終わる日」の著者(ちなみに出したかったタイトルは『ふたたびハイエク』だったが、一般向けの書籍にするにあたりハイエクは知らないということで却下されたそう)でもある岩村充先生は、インタビューでPoWはProof of Waste(*)とおっしゃっている。本のなかでも「貨幣を作り出すのに実物的なコストをかけていることは 、限りある地球資源の活用という観点からは 『もったいない 』ことなのですが 、しかし 、限りある資源の価値に依存している P O Wモデルの貨幣の方が 、信用制度に依存している貨幣よりも安心できるという面もある」とのこと。
要はいまはたまたまコンピュータのできが悪いから価値があると。そもそも経済的な価値はくだらないから価値があるという考え方。いいものなら市場取引する必要はない。それだけで成立するので。等価交換や損得感情を超えた価値というものもこの世の中にはいっぱいあって、市場で取引されている財の価値はその源泉が無駄に依存している。乱暴に言えば「仮想通貨の製造原価はエネルギーコストである」。こういう発想はなかったなぁ。

(*)Facing the Inconvenient Truth of Bitcoin
http://fiscofinancialreview.com/en/01/feature2/02.html