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仕事と彼女と人生観

稼働率は会社に必要あるのか

コンサルティング会社などは従業員の稼働率をKPIのひとつとして日や週レベルでウォッチしている。目標となる稼働率がありアベっていたりすると目標未達で人事評価に影響する。ところがこの稼働率という指標はいろいろと問題があってほんとにいるのかと思うことも多い。

1.生産性問題
単なる時間の計上なので個人ベースで考えれば、同じ仕事でも時間をかけてしたやつのほうが稼働率があがってしまうという問題。生産性が高く効率よくしごとをこなすやつほど稼働率は下がる。PMからすれば、かけた時間の割に成果があがらなくなるし、立場的に確保した金額のなかでメンバーにチャージさせる役割で、PMは基本的には稼働率をおさえる方向に働きかけるから、うまくバランスはしているけれど…

2.人事評価問題
稼働率は社内的な指標なので、クライアントのことだけを考えれば売上に対する効果が認められれば稼働時間などはまったく関係ない。稼働率を下げることがほんとうに悪なのか。お客さんが喜んでいるのに、稼働率が低いという理由で自分の給料が下がるというのはおかしい。

3.人件費単価問題
稼働率は、自身の売上を確保するためのエビデンスであるがゆえに、個人ベースでは稼働率を稼ぎにいくという行動は正しい。そして、自身の売上を確保したうえで時間が余れば、空いた時間で時間を投資できる。同じことをいまより短時間でできるのでじぶんはもっと稼げますよ、つまり自分の単価は安過ぎますと示すことができ、ポジションをあげるためのエビデンスとなる。ただし稼働率泥棒をしてプロジェクトをうまく渡り歩いても自身の単価が安いと示せてしまう。

稼働率を擁護するならば、管理上の問題で稼働率がみえないと時間とお金のバランスが把握できなくなるので必要な指標とも言える。とはいえ、稼働率という強制力を持たせないとさぼるかもとか、売上貢献へのエビデンスがわからないとかいうのは、前提として性悪説で考えているようであまり好きではない。