なにそれ経営者のブログ

女の子は好き。でも結婚したくない。

事業継承問題

なかなかなまなましいことが書かれていた(*)。大企業の勤め人向けに中小企業の実態を説いている。中小企業は適当なマネジメントでも経営が成り立っていてじつは大企業のみなさんが普通にやってきた知識を活かして組織改革すればバリューアップできまっせと。不覚にもすごい感情を揺さぶられた。「それでも中小企業は回っている」がハイライト。退職金や年金所得だけじゃ生活できない大企業ベテラン層と後継社長不足に悩む老舗中小企業をバチッとはめて、だから買いですっていう…たしかに中小企業の事業継承が進まない問題は日本全体で起きていてそれをチャンスと捉えるひとたちは多い。個人レベルのMA情報のサイト(**)も充実しつつある。非上場会社の時価総額なんてあってないようなもので、売り手と買い手の差しの交渉でズバッと決まることもある。
肝心のどんな会社をいくらでって手法はLBOMBOなどファイナンスを駆使しながら投資家の観点で書かれてたから簡単そうで大企業の単なる勤め人にはけっこうハードル高いていう罠。笑。タイトルは完全に釣りで本文には「純資産ゼロで売上1億、営業利益が100万円の会社は300万円〜500万円で会社が買えます」とあって、まあそうだけど、粗利が低すぎる。買収ふることで個人の報酬は確保できるかもしれないけどなかなかこの事業をやれと言われても自分はやりたくない。
権限は強制力だから、口約束で任せるよとか言われて現場がぜんぜんついてこないときに、法的に自分の思うように進められる力がある。という点では株主になる意味はある。けれども雇用される側は株主だろうが社長だろうが「知らんがな!」なので人をみてあるなし決めてるから、実務的にやることは変わらない。結局人。コンフリクトしたときに株主は勝てるという一点のみ。株主になることは手段でしかない。しかも第三者の資本を入れていない中小ベンチャーは、ほとんど株主総会なんて機能していないのだから、なおさら名目と実質の心理的乖離は大きい。本文中にもPMI(PostMergerIntegration : M&A後の統合作業 )がもっとも難しいと書かれていたが、これで終わったという明確な基準はなくセンシティブなところでもある。総じて大廃業時代に突入しているのは事実で、買収することで個人レベルのスキルを活かして自らも経済的にハッピーになるのは同意するけど、方法論はほかにもあって事業の本質はファイナンスだけではなくて事業そのものにあると思う。財務的な観点での正解がかならずしも事業の正解にはならない。

*「サラリーマンは 3 0 0万円で小さな会社を買いなさい 人生1 0 0年時代の個人M&A入門」三戸政和

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