なにそれ経営者のブログ

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ブロックチェーンの凄さ

ブロックチェーンですごいのは「インターネットの世界にコピーできないデータができたこと」と「データ構造が全て同じでデータどうしがくっつきやすいこと」とビットフライヤー加納社長がおっしゃっていた。情報の管理者が多数存在し、1つ前の情報がブロックに内包されているため改ざんが難しい。また、ブロックチェーン疎結合という着眼点は加納社長のオリジナルで、ブロックとチェーンとトランザクションIDという構造はどんなブロックチェーンも共通であると。しかも、暗号化された文字列なので、共通化に対する優位性がある。「疎結合」といえば、数年前にSOAていうテクノロジーが流行ったけど普及してないのは技術的に難しいからかも。基幹系のFMとかSCMのパッケージは、これからトランザクションが確定できるプライベートなブロックチェーンに置換されるのなら、SAPやOracleERPに匹敵する市場がここ数年でくる気がする。そこをみこしてか、大手はのきなみハイパーレジャープロジェクト(*)に投資している。
RDBMSでいうところのコミットの概念が、ブロックチェーンで実現できたら(すでにPoC終了段階と聞いてますが)画期的で、PoWに頼らないアルゴリズムはめっちゃエンタープライズ向け。いわゆるビザンチン耐性があり(**)堅牢性のレベルで、コスト的にトランザクション書き換えるやついないだろ(でもやろうと思えばできる)ていうレベルと物理的に不可能やねんてレベルは、やっぱりすごい差がある。BaaS(Blockchain as a Service)競争になったとき、基盤技術ごとSAPやOracleのような巨人が買収して、そのうえにのるエンタープライズ向けのアプリケーションが画一的になるのはおもしろくない。楽観的には、ブロックチェーンがそもそも分散型だから、各社協調路線にならざるを得ず、googleのようなプラットフォーマーが収益を独占するイメージしにくい。
経済産業省ブロックチェーンの経済的インパクトを67兆円と見積もっており、そのうちサプライチェーンが32兆円と最も多い(***)。ざっくり製造業への期待感。加納社長は講演で「論点が減る」というキーワードを使われていた。問題を切り分けて考えて、少なくともいまよりは良くなると。複雑な仕組みのなかで考えるべきことにフォーカスするという考え方は非常に勉強になった。

* Wikipedia 「Hyperledger」
このイニシアチブの初期メンバーには、ブロックチェーン特化の企業(Blockchain、ConsenSys、Digital Asset、R3)、その他のテクノロジー企業(シスコ、富士通、日立、IBMIntelNECNTTデータRedHatVMware)、金融会社(ABN AMROANZ銀行、BNYメロン、CLSグループ、CMEグループ、預託信託会社(DTCC)、ドイツBörseグループ、JPモルガン、ステート・ストリート、SWIFT、ウェルズ・ファーゴ)、その他(アクセンチュア、キャストトン、クレジット、 、IntellectEU、Nxt Foundation、Symbiont)が含まれる。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/Hyperledger

** 株式会社bitFlyerbitFlyerオリジナルブロックチェーン「miyabi」について」
https://www.boj.or.jp/announcements/release_2017/data/rel170227a8.pdf

*** 2016年4月28日(木) 経済産業省ブロックチェーン技術を利用したサービスに関する国内外動向調査」
http://www.meti.go.jp/press/2016/04/20160428003/20160428003.html