なにそれ経営者のブログ

仕事と彼女と人生観

CL決勝

サラーの涙。カルヴァハルの涙。交代選手が泣いていた。リバプールとレアルそれぞれが1人ずつ怪我というアクシデント。やりたくてもできないという悔しさ。戦術にあわせて選手を入れていた、選手にあわせて戦術を組み立てていたとすると、ひとりを失うことによる打撃はどうか。チームとしてのコンセプトもそうだが、とくにサラーなんかは結果をだしてきて、サラーありきの攻め方をしていたところもあるので変更せざるを得ない。緻密に組み立てれば組み立てるほど個々の能力を最大限に引き出し、チームとしてもオプションが減ってしまう。
前半の前半。リバプールの前からのプレッシャー、いわゆるゲーゲン・プレッシングでボールを奪った後まで計算されたかのようなポジショニングをとり、最終ラインでレアルに持たせた状態ですでに攻めている錯覚。それでもイスコやモドリッチなんかは個人技で2、3人いなしていたり、2人くらいで2人の間を通して打開していたが。前半の後半はリバプールのディフェンスがハマらなくなってレアルが持ち出し、シュートを何本か。マネの体のキレ。セルヒオ・ラモスの冷静さ。そんな印象が残った。
後半立ち上がり。リバプールのクリアミスからの決定機。イスコのクロスバー。からのキーパーのミス。ベンゼマが足にあててレアル先制。クロップ監督の呆然としている表情が物語っている。こんなことで。こんなことでと。でも神様はみていて、コーナーキックからすぐさま追いつく展開。クロップ監督のパンチするリアクション3連続。1対1でゲームが落ち着きはじめようとしたのもつかの間、間髪いれずジダン監督はイスコと変えベイル投入。いきなり一発。あり得ない体勢からバイシクルでぶち込む。ジダン監督も激しく喜ぶのではなく「おいおいやってくれるじゃねーか」と手をぶん回すリアクション。これまたクロップ監督とは対照的。勝負師の勘か。
緻密さが突き詰められるほど得点シーンは想像を超えるところからうまれる。怪我も含め試合前の予想はしにくい。ベイルの2点目にしてもあの文脈だからこそうまれた得点で。4点のうち3点が想定外。テンションのかかったゲームのなかでの偶然。ディフェンスの枚数が足りていても点をとられる。攻撃で崩さなくても点をとる。コントロールできないことの確率をあげることはできるが実際に起きるかはわからない。結果として勝敗はつくけど、勝負は運によるところも大きい。だからこそ泣けるし笑える。