なにそれ経営者のブログ

仕事と彼女と人生観

大きな絵を飾りたい話

ふと、自分の身長より大きい絵を買いたいと思った。家に飾りたい。美術館でのあの感じ。四角い枠に収まっているもの。キャンバスに直接書かれた。身長以上というサイズ感にまったく意味はないけど、なぜか見上げるサイズになると見つめるサイズより迫力が増す。Christopher Woolの文字の作品(*)をみたとき、よおーくみると薄い鉛筆の線みたいなやつが書いてあってちょっとインクが垂れていたけど、遠くから見るとキレイに整っている。作品集だと小さいサイズに縮められているからとくに。解像度のマジックか。作品が大きければ、少しくらい荒くなってもきめ細やかに見える。養老孟司先生が番組で、実物でやれと、プラスチックなどのシミュレータでいいじゃないかと言ってくる人に対して、プラスチックはどこまでいってもプラスチックだから、人ではないと、あたりまえだが奥が深いことをおっしゃっていて。人体は生物だから細かい単位にすればDNAで、同じものはない。生物の奥深さは人体にしかなくそれで試さなければ意味がない。リアルの解像度に通じることがある。粗いものや真似たものは情報量が少ない。写真にした瞬間、全く別のものになる。テクノロジーが発達してもオリジナルには到達できない。到達できたとしても違う作品としてオリジナリティを発揮する。マスターピースはマスターピースで。その人の命に代わるものはなにもない。自然界で同じものは存在しない。同じと概念的にかかっているだけで全て違う。理解しようと境界をつくるという行為は科学を発展させたが、この世界に境界はない。

*国立国際美術館「抽象世界」

http://www.nmao.go.jp/exhibition/2019/chusyo.html

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