なにそれ経営者のブログ

仕事と彼女と人生観

期待しすぎない

小坂井敏晶さんの考え方が好きだ。『子供の能力は、環境と遺伝に よって決まるのだから、早々に振り分けたほうがよい。そうすれば みんな個人の責任ではなく、社会に対する不満につながり、自分が 属しているコミュニティにも関心をもつように。一方で、一律に教 育しようとすると、できる子とできない子の上下関係がうまれ、「 あなたの努力が足りなかったから」など自己責任論を押しつけられ 、子供はできない原因を外因にあるとは考えなくなる。本人の努力 ですべてが解決できない問題を教育で本人の責任にするのはかえっ て、格差を助長する。』という趣旨のことをおっしゃっていた。 質疑応答では『東大の学生で、私に女優になりたいけどどうしたら よいか聞いてきた方がいたけど、 そういうタイプは絶対に成功しません。彼女がもし学生でなく選択 がなかったとして、どうしてもなりたいのであればすでにやってい る。』環境に恵まれた人間は選択の余地があり、 ぜいたくな悩みをもつ。選択肢がない、もしくは、 そのことがめちゃくちゃ好き、なタイプは強い。

ひろゆきさんの『なまけもの時間術』にも共通する。努力の方向性 。楽に勝てるゲーム。私は以前、いいものであれば売れるからマー ケティングはいらないと考えていたが、 同じものでも場所が変われば評価は変わる。インフルエンサーが評 価すれば売れる、それが実際だとすれば、そういう仕事に需要はあ る。個人的には好きではないけど、認めざるを得ない。 ふろむださんの『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」 で決まっている』も似たような話か。「 人はそんなに深く考えていない」ということを認めるところから考 えるべき。2000年以降、行動経済学が注目され、人々に合理的 な判断能力はないのはアカデミズムでも研究されている。 今回のコロナで、トイレットペーパーはなくならないとわかってい ながら、近所のスーパーで品薄だったため、買い占めしたという行 動もみられる。

パチンコの自粛がどうのなどと連日騒いでいるが、私は個人の良心 に期待し過ぎだと思う。赤信号は止まりましょうと促すようなもの だ。行動様式や考え方の断絶があることを認めたほうがよい。多く の人は感染リスクが高いことを知っていて行っている。誰かに迷惑 をかけるのはよくないだとか、社会のために…などという大義は通 用しない。経済合理性で正当化されることも問題を難しくしている 。人を殺すレベルの絶対悪な判断基準でもない。