なにそれ経営者のブログ

仕事と彼女と人生観

また夢になるといけねぇ

早朝寄席というのが昨日で終わり、否、いったん休止となったようで。若手や二ツ目の芸人さんが出演する寄席で、誰かがまくらで話していたけど、たしかに深夜であれば通りすがりに500円だしということで観に来る客もいるだろうけど、明らかに朝は通りすがりではなく狙って来ている。落語はライブだ。フリートークのような感じでまくらが自然にはじまり、実はそれが噺とつながっていて。テレビで短時間でやるお笑い芸人のネタみたく詰め込むものではなく、瞬発的などっとわく感じではなく、よく考えるとおもしろいとか、笑っている箇所は人によって違うこともある。ネタはどこにでもいるような素直でまぬけな愛らしいキャラが多いのでバカなやつはいっぱい登場するけど嫌なやつはいないというのも特徴か。かつ、生活の一部が描かれているから温かい気持ちにもなる。落語というのは「落ちを語る」というだけあって、最後のオチがハマるとめちゃくちゃ気持ちがいい。すべらない話じゃないけど、古典落語なんかはとくに、わかっていても噺家さんによって間の取り方やリズムがまったくちがう。オチの一言を言いたくて言いたくてこの一言を言いたいがためにまくらから伏線をはっている。立川談志の芝浜の音声がYouTubeにあった(*)。あの有名な「よそう。また夢になるといけねえ。」はたしかに人によって違っていて、談志師匠の芝浜は笑えるけど泣ける。噺家さんのトークは、ほぼシナリオが決まっていて何度も何度も繰り返し自分のものにするなかで、間の取り方とかテンポを磨いていって、必ず笑いを取りにいけるというのはプレゼンテーションとして考えると超レベルが高い。

立川談志 芝浜 https://youtu.be/e-cs9usnlhw