愛するということ
要旨
結婚は、慢性的な闇に対するソリューションである。男は人間的に成熟してくると、不安定で闇を抱え、どうにもならない孤独感や不安感がうまれる。その闇を解消埋められるのが、パートナーであり、安心感や安定性を求めて一緒になる。女は、かわいそうな男をほっとけないという観点からうけいれる。闇をかかえた人が現れたとき、何もしないと逆に罪悪感があり、男を救うことによって、結局は自分が救われる。
背景:自然な関係
好きとか嫌いとかじゃない。プラスでいい面を探そうとか、よいところをみようとすると、アピールするほうも大変だし、すぐに尽きる。持続性がないし、もたない。維持するためにプラスのエネルギーがいる。何もしなくても深い闇に落ちてる人は維持するコストなく落ちてるわけで、その状態で信頼関係を築ければ、互いにべったりずっとつながれる。
男:慢性的な闇
そもそも男は孤独である。そこに気がつくのは人間的な成熟度にもよるが、一定の経験を積んで、前に進もうともがくと、慢性的に闇をかかえるようになる。本当に信頼できる人がいないから、安心して信頼できる人を求めるようになる。本当は信頼したい。信用したほうが楽。疑ってかかると疲れる。男の結婚トリガーは、いつまでも孤独であるということに気付いたとき。結婚願望は、孤独からの救いという他者のありがたみを感じられるかでわかる。
女:救済者としての喜び
求められるほうは救うことによって自分が救われる。やばそうな人を目のあたりにしたとき、女は母性本能から救うことをプログラムされている。動物的に群れることによって安心できる。女の結婚トリガーは、相手の喜びが自分の喜びだということが体験的にわかったとき。
男と女:補完関係
闇を持つ側と救う側のレベル感がどこまでフィットするか。深すぎる闇はひいてしまうことがある。少しでも緩和できる関係。お互いを補完しあえる関係がベスト。
晩婚化の説明
闇解消ソリューション=結婚、という前提にたてば、20代で闇をかかえていている人が少なくなったか、ソリューションが増えたか。おそらく後者。経験を重ねると、誰もが闇を抱え、芥川やドストエフスキーを読むようになる。その救済策で人を頼るか、別のソリューションでしのぐか。ただし別のソリューションは本質的な解決策にはならない。
年齢差:若者と年長者
若者の結婚は、慢性的な闇ではなくて、急性の闇へのソリューション。
地域差:田舎と都会
都会はノイズがおおいからまやかしのソリューションで解消されてしまい、結婚が遅れる。田舎は人とのつながりは少ないけど、深い部分をみることができるから、若いときから人間としての真の部分に気付くことができる。
時代差:過去と現在
昔はソリューションがなかったし、孤独を感じることも多かったからはやい段階でパートナーの重要性に気がつくことができた。
男女差:男と女(非対称性)
男が落ちていて女が救う。逆はない。弱った女を男が救うのは下心があって、ピュアに人を救うのと意味が違ってくる。
小さなコミニュニティ
大きな社会のなかでは、他者と価値の交換をする際、契約にもとづいて取引をせざるを得ない。仕組みに縛られてただ働きをしにくい。見返りをもらわないと動けないという仕組みになっている。家族みたいなコミニュニティだと愛や信用だけでやりとりできる。そこにお金は発生しておらず、制度に縛られない自由がある。
おはようとおやすみ
※参考
「道徳感情論」アダムスミス
幸福は平静と享楽にある 。平静なしには享楽はありえないし 、完全な平静があるところでは 、どんなものごとでも 、ほとんどの場合 、それを楽しむことができる 。
→アダムスミスは、幸せは心の平静にあると言っている。パートナーの存在で、心の平静が保たれるのであれば、結婚によって幸せが近づく⁉
注)ちなみにアダムスミスは生涯独身…