なにそれ経営者のブログ

仕事と彼女と人生観

仕事と売上のバランス

お金にかんして、評価指標としての数値には興味がある。仕事の評価は最後はお金でしかできない。いい仕事をした、というのは、たくさんお金を稼いだ、ということ。大きな数字になったということ。
社内の話。人事評価は、相対的であれ、仕事をした人により大きなお金を与えるべき。お金をもらうことでハッピーになるかはさておき。客観的評価としてお金のボリュームをあげさげするほうが、フェアだ。というかお金でしか評価してあげられない。従業員満足度とかあるかもしれないけど、社外では通用しない。満足度?なんだそれ。でもお金は違う。共通して使える。
社外の話。取引先からの評価で、たくさん仕事をしたのに想定していた額より少ない売上にしかならなかったとすると、正当な評価をされなかったという意味で闘うべき。その時間で別のことをすればもっと稼げていたのに、その仕事をうけたせいで、その機会を逸したからだ。難しいのは、上限が決まっていてそのなかでやり繰りしなければならず、でも結果的に売上が足りなかったとき。必要経費として能力うんぬんの問題ではないとして1)増額を要求して売上を増やすか。はたまた、2)やることを削って予算の範囲内で落ち着けるか。3)やりきることに意味があり、次からは同じ仕事をいまより短時間でやるための投資と考えるか。会社をでかくしようとおもうと最後の選択肢しかなく、いまの売上で無理しない程度にストレッチせざるを得ない。

キャッシュインパクト(続き)

Googleには有名な20%ルールがあるが、いまという時間でピンポイントに評価すれば、短期的な利益には貢献しない。Googleは、20%ルールに象徴される、とにかく面白いプロジェクトをするという自由なカルチャーが、優秀なエンジニアが世界中から集まる理由のひとつだが、株主からのプレッシャーが高まるなかで財務的な規律が求められており、そうも言ってられなくなってきたという。NPの特集で、Googleは、これまで新規事業に大量の資金を投資してきたが、ルース・ポラットが2015年5月にCFOに就任したことによって状況が変わってきたという記事があった。

Alphabetの直近の決算発表をみると、2016年3Qは、Revenuesが215億万ドルで、213億1,500万ドルがGoogle segment、1億8,500万ドルがOther Betsとなっている。Google segmentのうち、191億4,300万ドルがadvertising revenuesでrevenues全体の約9割(89.0%)を占めている。

OtherBetsは、事業化に成功すれば中核的な事業であるGoogle部門に組み込まれるかもしれないからそもそもPLにはのってこないという見方が正しいのかもしれないが、OtherBetsの売上高に占める割合は、0.86%に過ぎない。

コストに着目するとGoogle segmentの営業利益は69億9,400万ドル、OtherBetsの営業損失は8億5,900万ドルで、広告で得られたキャッシュを赤字プロジェクトに突っ込んでいるともいえる。広告収入がなければ、会社は存続できないわけで、ポラットは将来にかかりすぎている比重を財務的な観点で今に戻し、うまくバランスさせようとしているようにもみえる。株主がいて他人のカネで事業をすれば、多くのステークホルダーから短期的なリターン欲求が高まることなんてIPOする前からわかっていたことなんだろうけど、いままさにそのジレンマに直面している。

参考)https://abc.xyz/investor/

■Three Months Ended June 30, 2016
Revenues 21,500
 Google segment revenues 21,315
 Google operating income 6,994
  Google websites 15,400
  Google Network Members' websites 3,743
  Google advertising revenues 19,143
  Google other revenues 2,172
 Other Bets revenues 185
 Other Bets operating loss  (859)
*in millions

Google segmentとOther Betsの定義

GoogleGoogle includes our main internet products such as Search, Ads, Commerce, Maps, YouTube, Apps, Cloud, Android, Chrome, Google Play as well as hardware products we sell, such as Chromecast, Chromebooks and Nexus devices. Our technical infrastructure and some newer efforts like Virtual Reality are also included in Google. Google generates revenues primarily from advertising, sales of digital content, apps
and cloud offerings for enterprise, and sales of hardware.

Other Bets – Other Bets is a combination of multiple operating segments that are not individually material. Other Bets includes businesses such as Access/Google Fiber, Calico, Google Capital, GV, Nest, Verily, X, and other initiatives. Revenues from the Other Bets are derived primarily through the sales of Nest hardware products, internet and TV services through Google Fiber, and licensing and R&D services through Verily.

以上でも以下でもない

全豪オープンで過去6回優勝しているジョコビッチ選手がランクで言えば格下のイストミン選手に負けた。試合後、ジョコビッチは「長いことやっていれば自分の調子が良くないときに相手の調子がいいことがある。それがスポーツだ。今日は荷物を持って家に帰るよ。」とコメント。じつに清々しい。以上でも以下でもない。現実を真正面から捉えていて、周りの人の感じ方とも一致している。イストミンも「今日はジョコビッチに謝りたい。僕の調子が良過ぎたんだ。」と言っていた。本人も周りの人間も「ジョコビッチが勝ち、イストミンが負ける」という共通認識があり、でもそうならなかった。強者の態度として、言い訳をせず、感情的にならず、相手をたたえる。悲観的でもなく楽観的でもない。絶妙なラインに落とし込まれた印象を与える。テニスは紳士のスポーツと言われるけれど、強い選手はメンタルも強い。

キャッシュインパクト(続き)

雇用契約で給与が固定されると、生産効率にかんして、人件費のコスト削減効果は見込めない。余剰時間で営業できれば、売上増加の可能性はあるが、実際はそんな隙間時間できちっきちっと違う種類の仕事をまわすことなんてできないし、細かい仕事があったとしても頭の切り替えがうまくいかない。一定時間集中してうみだす仕事ならなおさら。

設備投資も同じことで、スーパーなマシンを購入したとたんにキャッシュインパクトがでるわけではない。代替された人間が成果を出してはじめてお金がうみだされる。もしくは代替された人間がいなくなってはじめて経費が削減される。

人間や機械の能力(効率)をうまくお金に変えようとすると、稼働率がめちゃくちゃ重要で、全体として常に100%に近い稼働ができていないと、なんの意味もない。

キャッシュインパクト

正社員で毎月給与が支払われるばあい、やってもやらなくても払われるという観点で合理的に考えれば、働かないほうが得である。にもかかわらず、人はなぜ働くのか。

短時間で多くの仕事をできるようになったとしても、時間が有意義に使えて人生が豊かになるかもしれないが、成果に対するインセンティブが見込めないなら、一生懸命働くだけ損。

システムは必要だけど十分ではない

パッケージ的なシステムを売る商売は終わっていて、ビジネスモデルや事業とセットで提案しないと売れないそうだ。そらそうだろう。システム単体で考えた場合、導入コストを回収できるのは先の話だし、直接的な費用対効果なんて根拠がない。生産管理や会計は、クラウドの流れなようだけど、サーバーがイントラかウェブかの違いなだけで機能としては大差ない。導入や管理コストが減るといったコスト削減の効果はあるものの、ビジネスとしては先細り。クライアントの事業に直結していない仕事、もっというと売上につながらないような仕事は、なくなると思う。製造業でいえば、CRMもSCMは90年代にいくとこまでいっていった。そんなことよりいかにして新しい製品、サービスをつくるかというメインストリームにのり、アップルではないが、自分自身が感動できるものをつくるべき。そのとき、システムはあくまでその製品やサービスの黒子で、必要ではあるが、それだけでは足りない。システムが目立ちすぎるサービスは失敗する。例えば、IBMのワトソンはすごい。だけどビジネスとしてはどうか。世界を変えるサービスの要素になるポテンシャルはあるけど、人間の欲望にあわせにいってうまくなじむように落とし込むサービス設計はこれから。ワトソンありきではなく、この問題にワトソン使えるんじゃね?っていうのが出てきてはじめてああこれは素晴らしいとなる。

10パーセントの納得感(続き)

10パーセントの納得感を50パーセントにあげる仕事は、最後まで人間の仕事として残る気がする。人が動くためには、感情的な閾値があってその閾値を越えさせる働きかけはロジカルには難しい。人との関係によって育まれるものは人でしかできない。結婚問題にしても、全く知らない人に対して、AIかなんかで「あなたにぴったりなのはこの方です!」なんて言われたところで、たしかにぴったりなのかもしれんけど、よしじゃあ結婚しますなんてすぐに結論出せる人はほとんどいないと思う。そう考えると、AIが超学習したとしてテクニカルには人間の思考スピードを軽く超えて正しい結論をだすことはできるけど、人間がそれに追いつかないから人間の意思決定がネックになる。しかも人間は正しい意思決定を好むとも限らない。意思決定をいかに早めるか。AIが選択肢Aと選択肢Bでそれぞれ〇〇パーセントですって支援するような機能はすでにあるらしいが、意識して選択する機会なんてどれくらいあるのか。無意識も含め、その人に影響を与えている情報のひとつに埋もれるのがオチ。会社の機能として最終的にのこるのは、企画と営業だけだと勝手に思っていて、そこはどうしても対人間によるケアがいる。
人間といえば、何年もかけて議論を重ねて各国で手続きも進めてきたTPPが一国の独断で白紙になりそうで、これまでの議論はなんだったんだ感が否めない。もちろん社会的な影響が大きいので、契約条項をつめることは必要なプロセスとは思うけど、合意形成にこれほどまでに時間を費やすのはいかがなものか。さっさと発効してやっちまったら少なくともフィードバックは得られたのに。