なにそれ経営者のブログ

仕事と彼女と人生観

新陳代謝のスピード感

黒田選手は個人的には好きだけど、日本シリーズのときのメディアの取り上げ方が気持ち悪いと言っていた人がいて、独特な観点だったのでなんでかなぁとか思ってたけど、イグジット戦略に関係しているような気がする。これについてのぼくなりの解釈。
 
スタートアップが、IPOあるいはM&Aして手放す。やや極端な話、ある日突然過去を全否定するみたいなことができるかというと、旧来の日本人にはあまりなじまない。会社を手放すことに対してネガティブが多数派を占める。日本では古くから長く大切に使うことが美とされていて「バリューを出せなきゃはい解雇」みたいな話が敬遠されがち。耐える美徳とも言うのだろうか。後継者が育たず、製造業に限れば、事業継承のために会社を売る、という衰退期での売却は聞くけど全盛期ではあまり聞かない。積極的にM&Aをしかけるのは外資のほうが多く、中小企業のおっさんたちは、外資は敵だみたいなマインドが多い。
 
人材の流動性に関しても、受け入れる側が変わることに対して「こいつはなんか問題あったんじゃねーの」と歪んだ見方をして、新しい血を入れたがらない。あわなかったらお互い不幸だから、どんどん次のことにチャレンジすればいいのに(ちなみに、転職するやつに対してぼくはいつも「おめでとう」と言っておくりだすのだけど「そう言ってくれる人ははじめてです」なんて言われることもある。)空気的にそうではない。
 
そもそも個人レベルでも組織レベルでもイグジット戦略が伝統的な日本古来の考え方にはなじまない。イチローやカズはスーパースターで否定する気はないけど、ああいうのが美談として語られ「転石苔を生ぜず」がネガティブな解釈になる。
 
イグジットは戦略的ではなく、避けられない課題として顕在化してきたときにようやく重い腰を上げる。結婚してだめならさっさと離婚して次のパートナーを探せばええやないかと思うわけだけど、なんとか継続させようと努力する。
 
ぼくも日本人だから長くひとりのひとをという精神性はあるけど「他にも女がいるよ」と言って「あらそうあなたモテるのね」という女性が理想。嫉妬されるのはそれはそれでかわいらしさを感じるけど、むしろ送り出す女のほうが、惹きつけられる。ほんとは心配なのに強気の女のほうが萌える。
 
話を戻すと、中田ヒデのように全盛期でスパッと引退する、という決断よりも、選手生命をまっとうして最後の最後まで出し切りました、完全燃焼ですね、のほうが日本人には馴染む。少なくともテレビはそう決めつけて報道していたようにみえた。冒頭の“気持ち悪い”発言は、これについての違和感だろうか。