なにそれ経営者のブログ

仕事と彼女と人生観

思考停止

という言葉はよく使われる。外から与えられた自分ではコントロールできない問題のようにとらえ、主体的に解決に向けて動こうとしていない状態。ぼく自身、ほとんどの未解決問題は思考停止している。深く考えていない。なぜできないのか。どうすれば良いか。うまくいかないやり方を変えようとしない。要はあまり考えていない。ちゃんと考えるとじつは表面的にネックだとしていたことはたいしたことなくて、深層部分でやりたくないだけとか面倒だからとかいう理由に行き着くことも。考える→やるべきことを決める→行動する、が基本的な流れだとすると、考えるところが止まると行動は変わらない。やるべきことを決めればあとはやるだけ。決めたあとは比較的簡単に流れる。

時間と身体の連続性

物事にほとんど因果関係はない、ということに関して、あたかもそれが理由であるかのように後追いで「適当に」繋げて考えてしまうのが人間だと思う。一人の人間が主観的に判断してしまうことと時間は連続であることが影響している。身体と時間は切り離せない。無意識のうちに多くのことを繋げてしまいあたかもそれらしい仮説をつくる。
経済学の観点で科学的に示したのがダン・アリエリー先生で、心理学と経済学を結びつけ、頭ではわかっているのに合理的な行動はとらないよねと指摘した。2008年に刊行された「予想どおりに不合理」は誰もが「そうだよね」と共感できる内容でベストセラーになり、行動経済学という言葉もメジャーになった。
自分はどこまで、恣意性を排除できているのだろうか。偏見・利害・恣意はできるだけ避けようと意識しているつもりだったけど…

『かつてアレクサンドル・ルリアという心理学者が旧ソ連ウズベク共和国とキルギス共和国の奥地で興味深いフィールドワークを行ったことがある。彼はそこで、読み書きのできない住民たちに、次のような質問を投げかけた。「極北の降雪地帯にいる熊はどれも白い。ノヴァヤゼムリャは極北の降雪地帯にある。さて、ノヴァヤゼムリャにいる熊は何色でしょう。」すると、典型的な回答はこうだった。「わからないわ。黒い熊なら見たことがあるけど、他は見たことがないから…。」』*

少なくとも「ノヴァヤゼムリャにいる熊は白い」と安直に答えるのではなく「熊の色はわからない」とこたえられる選択肢も持っておきたい。どんな前提も置かずニュートラルに思考しているようでいて、じつはぜんぜんそうじゃないかもなぁと。

* )森田真生「新潮」(3月号)「計算と仮説」

若いときほど適当なことを言ってはいけない

若いからこそ適当なことは言ってはいけない。あいまいな表現や誤っていることを言ってしまうとそれだけで信用をなくす。本来、年齢は関係ないのだけど、対面で会話しているときの若々しさは拭い去れない。ニュートラルな状態でさえ、若いと年上との交渉はやや不利な状況なのだから、少しでも隙をみせると、これだけじゃないかもと思われてしまうし、こいつ大丈夫かと不安にさせるスイッチがはいる。最初のイメージを覆すのは相当難しい。逆にファクトを積み上げてロジカルに組み立てれば、経験上そうじゃないんだけどなぁとおもわれるかもしれないけど、少なくとも言ってることは間違っていないという評価になる。どこで戦うかにもよるけど、事実を正しく理解し、適切な言葉で伝えるというのは基本的なことだけどあなどれない。

個人と法人

個人の年収が1年で500万円だとすると10年で5000万、30年で1億5000万、そんだけしか稼げない。やっぱり法人のお財布は大きい。たった1年で個人の一生分を軽く超えてくる金額を動かしている。額の大きさは相対的だし、入ってくる分が出ていく分より大きければよいだけ。何かを比べることになんの意味もないのだけど、お金という指標でみたときには、一生かけてこつこつ努力していることをいとも簡単に手に入れることができるひともいるんじゃないかと想像できる。していることもさることながら、どの立場でどうやってしているかは、すごく大きな違いをつくる。

リターンを考える事業と考えない事業

回収とかビジネスモデルばっかり考えてるとつまんない事業しかでないな。ペイするものとしないもの。いやゆくゆくはペイしてもらわなきゃ困るんだけど。けっきょく投資案件の因果関係なんてこじつけだからないんだよな。お金ってどんなものでも間に入って繋げられるからすごい発明だわ。1つの組織で、時の流れが違うものをごちゃっと一括りにして大枠をイメージしながらディテールを組み上げていく。頭の整理のため、もしくはチームで共通認識をするためなどに費用対効果は必要だけど現実は''だけじゃない''ので、会社に投資したときのリターンはいくら?くらい大雑把なほうがむしろ意味をなしていて案件レベルに落とし込むとほとんど意味をなさない。5パーセントルールではないが、なので意識してお金と関係のないことをしないと突破できない。遊びに使える割合が5パーセントなのか10パーセントか、適正比率はその人しだい。

ある分でバランスする

小さなチームに余裕はない。ある分でバランスする。ストレッチしようとしているチームは基本的には常に欲しているのであるだけ使うし常に足りない。やりたいこと過剰でやれることは一部。限られたリソースはすべて使いきる。それでなんとかまわっている。なのでリソースが制約条件になる。外からの調達は、投資とみられがちだけどなかからみればそれで新しいチャレンジをするというより、やれる規模が大きくなったり試行回数が少し増えるだけで、深海に潜るための息継ぎをしているようなもの。

我慢して限界に挑んでいるとほんとにだめなときもあってそのときには息をしないとまじで死ぬ。ギリギリのラインが運転資金であり、キープするための最低限。とはいえ運転資金も出る量やタイミングでコントロールできるから機械的に判断すると見誤る。余裕なんてないから常にいっぱいいっぱいでわかりにくい。命にかかわるかどうかというラインは当事者にしかわからない。

 

Dropbox

Dropboxは1,100万人が一人100ドル払って売上10億ドル。Boxは7.1万の組織が一組織5,600ドル払って売上4億ドル。個人ベースでDropboxは月900円、法人ベースで月4万7,000円くらい。そんなもんか。Dropboxは2014年のvaluationが10billionだったようだが、BoxのPSRは5.8倍くらいなので、確かに比べられると6billionほどにしかならない。果たして市場はいくらをつけるのか。

Dropbox vs Box
・売上は約2.8倍
・ユーザー数は約10倍

Dropbox
Revenue: $1,106.8 million
Loss: $111.7 million
Free cash flow:$305 million
Users: 500 million
Paid Users: 11 million
Average Revenue Per User: $111.9

Box
Revenue:$398.6 million(FY2017)
Loss:$151.8million
Free cash flow:negative $24.8 million
Users:52 million
Paying Organizations: 71,000
Average Revenue Per Organization:$5,614

Market cap :$1.2 - 2.3 biliion
$9.12 - $17.40 per share
132,773,650 stocks
77,966,423(Class A common stock)
54,807,227(Class B common stock)

*WSJ Dropbox Files for Its Initial Public Offering 2018/2/23
https://www.wsj.com/articles/dropbox-files-to-go-public-1519419035

*Dropbox FORM S-1 Registration Statement
https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1467623/000119312518055809/d451946ds1.htm

* Box IR
https://www.boxinvestorrelations.com/financial-information/financial-reports/default.aspx

* Dropbox vs. Box: Valuation Matchup
https://www.cbinsights.com/research/dropbox-valuation-bubble-2/