なにそれ経営者のブログ

仕事と彼女と人生観

オートメーションの隙間

中西さんや戸田さんなどがサッカーの日本代表戦を戦術的に分析している動画(*)がおもしろい。これによると、サッカーの概念は四年前とはまったく変わってきてきて、アメフトとかラグビーのようになっているという。人の配置も相手がこうきたらこうするという自動化が徹底され、陣地を有利にとるために逆算されてオーガナイズされて試合に臨んでいる。ハーフタイムには前半で収集された10万件のビックデータがアナリストによって分析され、監督にソリューションの候補が提示され、後半に向けての指示が出され、前半と後半で戦術ががらりと変わったりする。当然、選手は急には対応できないので練習からデータが活用されそれに馴染んでおり、試合で再現している。トップチームにもなれば、アナリストは敵チームの5試合くらいをみて分析し、そのうえで今回どう戦うかという戦術を決め、組み立てられたプランどおりに選手たちに1週間で叩き込む。プランBだけでなく、自分たちも分析してされていることを前提にプランCやプランDまで用意している。こうきたらかこうくるというのをパターンとしておいており、ここまでやるのかというくらい。個人に求められるタスクが高度になり過ぎると選手が表現しきれなくて、試合を客観的にみた人間がいまいちに感じられても裏ではそうとう準備していたということもあり得るそうだ。
ここまでくると、試合前から試合結果が決まってしまうのではないかと思えてくるけどやはり敵がいるゲームなので、チームの決まりごとを前提としながらも、個人としての瞬発的なリアクションが勝敗を分けたりする。オートメーションは日本人は得意としているものの、それにこだわり過ぎるのもよくない。例えば、自分のマークをつくことにこだわり過ぎてシュートブロックにいかず失点するというのはやっぱり本末転倒で。どこまでがチームの戦術で迫られたときに個人の判断で勇気を持ってルールを逸脱するか。いかなきゃいけないときはある。戦術どおりに崩して点をとれれば美しいけど、実際にはどこかで少しバグというか、偶発的な事故が発生して得失点になる。セットプレーではなく、流れのなかからうみだされる計画された計画外とでもいうべきオートメーションの隙間は、ほんとうに美しい瞬間。


* 0014 catorce 「この度、新しいサッカー動画コンテンツを立ち上げることになりました。 これから随時、日本サッカーが「進化」「深化」するヒントになるようなコンテンツを配信していきます。」
https://m.youtube.com/channel/UC7N1aavBc7wAoTsI4eP0BiA