なにそれ経営者のブログ

仕事と彼女と人生観

引き分けがない

いまさらながら全豪オープンの決勝をみた。一進一退の攻防でどちらが勝ってもおかしくない展開。テニスはちゃんとみたことがなくて、試合の途中からようやく加点される仕組みがわかってきた程度の人間だけど、そんな素人にもわかりやすくいい試合だなと思えるものがあった。フェデラーにとっては相手がナダルだから、ナダルにとっては相手がフェデラーだから、試合のなかで引き出された何かがあったように感じられた。何回かスーパーショットがあって「ああこれは仕方がない」と相手に拍手を贈るシーンが素直に相手を讃えているようにもみえた。ネットにあたって入ったときに「悪いね」というのが超クールにみえた(あとで調べたら、謝るのはテニスではあたりまえらしい)。観客がプレー中は静まりかえり、点が入るたびに拍手や声援が沸き起こり、試合を一緒につくっている感がでていた。とにかくいい試合だったからナダルファンも悔しいけど清々しい気分で終えられたのではないか。それから、直後に表彰式があって、選手本人のスピーチがこれまた素晴らしく、メンタルの強さが感じられた。長い付き合いで、互いに認めあって、尊敬しあっている関係性みたい。フェデラーは7年ぶり5度目、ナダルがもし勝っていたら、8年ぶり2度目だったそう。似たような状況で苦しんでここまできた当事者だからこそわかることがあるのだろう。フェデラーのスピーチ。
「ラファを祝福したい。去年はけがもあったのに、すばらしいカムバックだった。2人とも決勝で会えるとは思っていなかったと思う。4、5カ月前は想像できない状況。君が準優勝できたことが非常にうれしい。テニスはとても厳しいスポーツ。引き分けがない。もし引き分けがあったら、あなたと分かち合ってもいいと感じることができた試合だった。自分のチームに感謝したい。本当にありがとう。最高の仲間。ラファのチームもがんばったに違いない。すばらしいチーム。今後もラファは活躍しなければならない。テニス界が彼を必要としている。スペシャルな夜にしてくれた。全豪はいつも楽しみ。また来年もこの会場でプレーしたい。ありがとう」