なにそれ経営者のブログ

仕事と彼女と人生観

クリエイターに直接的にお金を落とすことはできるのか問題

サカナクションの山口さんが、グロービスのサミットで「アーティストが着ている服や髪型を褒められて、実際には裏方のファッションコーディネーターさんやヘアメイクさんが凄いのに、表に立っているアーティストがほめられることに違和感を覚えた」というコメントをされていて、まさに自分もそのとおりだとはおもった。一方で、現実にはうまく契約をして、汗をかいたひとにちゃんと配分されるようにするしかないとも。個人的には、汗をかいたやつにカネはおちるべき論を提唱していて、モノをつくるのであれば、開発をいいように使って高く売って考えた人間に還元しないとかクソ!派だけど、キャッシュポイントと付加価値ポイントがズレているビジネスにおいては誰かいちばん成果だしとんじゃってことはわかりにくくて、案件ベースで配分比率を決めざるを得ない。みんなが納得するための材料として、テクノロジーを駆使して、どことどこが繋がっていて、誰がいちばん価値を生んだかをわかるようにすればよいけど、最終的には、人対人でお金儲けの話も絡んでくるので第三者が決めるというよりは当事者間での契約交渉になる気もしている。音楽業界でJASRACにお金を払っても結局ミュージシャンにお金がおちないという話も、音楽とお金を1on1でつないだ形態を前提につくられてた仕組みから起きている問題のひとつ。なので、お客さんがお金を払うポイントは音楽であって音楽じゃないという時代の流れにあわせるべきで、できれば、包括契約みたくややあいまいともいえる契約をして丸め込むのではなく、合理的に配分しないとクリエイターは離れる
どんな価値に対してお客さんがお金を払っていて、どうやって稼ぐのか。ざっくりな解釈でいえば、産業革命がおきた時代に、ひとつの会社で分業がすすみ、開発部門があって営業部門がある、ひとつの会社でお金をうまくまわして経営資源を配分するというマネージメントができてきたのと同じことが、いまの時代に会社という枠組みをこえて起きているだけともいえる。会社という絶対的な権力でコントロールできないので、進みにくいが、そとから資源を補完して事業をつくっていくという点では近い。違う点は時間軸のズレがあまりないこと。会社はいったんお金をプールしてあとから投資にまわす箱だが、案件ベースのオールスターチームは、ライブ的で、チームの持続性は第一義的にはかかげていないので、そのチームはあくまで案件そのものが生んだ価値をプールして無駄な金銭的ストックはあまりしない。利益の考え方も変わっていくのか。

参考)AI時代の音楽は「共感」から「違和感」へ~伊藤博之×サカナクション山口一郎×スプツニ子
http://globis.jp/article/5488