線と色の重なり
バスキアの作品をはじめてみた。線と色の重なり。線が実はうまかったりする。例えば「空手」という作品。投げられている人がモチーフの簡単そうなドローイングだが、バスキアぽさはそれだけでもでていて。やはりオリジナリティか。対象をそう捉えるのかと。どの作品も瞬発的、即興感が強く。そんなに時間をかけて描かかれていない。色は重ねて厚みを出すという感じでもなくスプレーで重ねるような軽さ。ストリートアートならではでエネルギッシュ。もともと壁に描いていたくらいなので、そもそもキャンパスにおさまりきるようなものではない。クレヨンが使われたり箱に落書きされたものも。アートシーンで語られてはいるが、いわゆるオーソリティとは真逆にある。なぜ人々が熱狂するのかはタイミングでしかないとも思う。偶然が重なり、生きているうちにセレブになったが、そうでない道も全然あり得たはず。列をなして後世の我々がお金を払ってきれいな美術館で観る違和感。コレクションを集めてくれるのは一箇所でたくさん観られるのでとてもありがたいことだけど。当時のテイストからは程遠い。